サッちゃんの明日
2009年10月14日 大阪ビジネスパーク円形ホール
作・演出 松尾スズキ
出演
墨田サチコ 鈴木蘭々
墨田カズ・沼田 小松和重
墨田三千男 松尾スズキ
れい子・リリー 家納ジュンコ
道潅・ノムロ 宮藤官九郎
カチガネゴロー・ヤス 星野 源
ヅケヤマテビイチ・ポーチお化け 皆川猿時
つぐみ・キヨ 猫背 椿
さすが松尾さん。
いやーな話でいかんともしがたい終わり方をしましたw
いやーな話と言えば、以前観た「噂の男」ってお芝居もいやーな話で、今回のサッちゃんも噂の男も誰もが持ってる人間のいやーな面を見せられて、いやーになるってところでは似てるのかもしれません。
小松さんがスゴかったなあ。身体障害者の役なのですが、動きとかもすごいし。心に抱えてるドロドロしたものをぶっちゃける場面もすごかったです。
二役でおばあちゃんの役もやってたんですが、すっごいしっかりしてたおばあちゃんが実はボケてて、人前だけでは意地でシャンとしてたってところとか、ドロドロとしたものを抱えてるのを見せないようにしてきたのが破綻した感じとか、それもすごかったです。
家納さんも美人でスタイルもいいのにそこまでするか!っていうくらいにスゴイのです。松尾スズキ演じる三千男とセックスする1人芝居はもう、これでもか!っちゅーくらいにエロ芝居でしたw
二役でのシャブ中リリーのキレ具合もスゴかった。すっごいファンになりましよ!
蘭々さんはふっ切れた感じがしてました。キレイのときよりふっ切れてたかも。カマトトぶった感じが似合ってて、でも、最後はぶっちゃけて。イイ子を演じてたのが破綻したときのぶっちゃけ具合がふっ切れてましたw
今まで我慢したんだから元ぐらい取らせてよ!っていう…人間のエゴとか、誰かを不幸にしてしまったから自分も不幸でいるの…みたいな自責とは違う、なんていうんでしょう、私も不幸なんだから許してよ!的な気持ちとか、ハンディを背負ってる人の逆差別的(?)な気持ちとか、そういうイヤなとこがいっぱいでした。
最初は変わってるって思ってた皆川さんのヅケヤマが実は一番フツーな人間なんじゃないか?と思わせられる芝居でした。
しっかし、クドカンってダメダメな男の役やると最高に上手いなあ。ダメの向こうにちょっと切なさというか哀しさが見え隠れしてるとこも好き。そして、松尾さんがクドカンにあてる役回りも好きです。
看板役者のサダヲさんはいない舞台でしたが、いないとまたいつもとは違う雰囲気というか、カラっと明るい笑いがない芝居というか…くすって笑いはあるんですけど…彼がいないとそういうカラーになるんだね、と思いまし。
で、サインに負けてうっかりと松尾さんと宮藤さんの本を買って帰ってきたワタクシでした。
あと、芝居中に素になっちゃった松尾さんがかわいかった。おっさんにかわいもないし、かわいいなんて恥ずかしプレイかもしれないけど、かわいかったですw