ユニコーンやら電気グルーヴやら筋肉少女帯やらSMAPやらお芝居やら

ゆれる

東京に行ったときに、ゆれる、を見てきました。

いい映画でした。

それぞれの心のゆれが丁寧に描かれてました。

西川カントクの映画を観るのはゆれるが初めて、蛇イチゴも観てみよう。

優等生の兄とちょい悪な弟、という、オーソドックスといえばオーソドックスな設定だったんですけど、兄弟それぞれが抱える思いがとても丁寧に描かれてて、見ごたえがありました。

んでもって、しみじみ、やっぱり役者は痩せてるほうが使いであるよ…と思いました(笑)

役者って見た目が大事なんだなあ。もし、演じる人になるんなら、やっぱ痩せないとダメなのかも。←誰かの方向をみつめながら

でもなあ、本人は役者じゃないって言い張ってるしなあ…。

あと、物語を書くマネゴトをやってみてるワタクシ、理想は高く、これくらい「会話とちょっとの描写」で物語が描けるといいなあって思いました。

もともとセリフばっかりな話しか書けないワタクシですが、これくらいセリフに説得力あるといいなあ。

派手さはないけど、オススメ映画です。

閉鎖的な田舎から逃げ出した弟とその田舎で暮らす兄。

香川さんが演じるお兄さんはホントにいい人で、いい人なんだけど、心の中では田舎から逃げ出した弟を羨ましく、そして、逃げられた弟に対してちょっと劣等感を抱いてて、その心の中のいい部分もイヤな部分も丹念に描かれてたのがよかったのです。

閉鎖的な場所で暮らすことの不自由さ、「兄ちゃんは偉いよ」という弟の言葉になにか同情を感じてしまい、ワザと弟の前で強がる兄。

いい人でいようとする限界を超えたときに、弟に思いをぶちまける兄。

そんな兄ちゃん葛藤が描かれてました。

ジョーさん演じる弟も田舎に帰って相変わらずな世界と父と親戚を前に「兄ちゃんは偉いよ」と言いつつも、その奥の「よくやるよ」て思いを兄ちゃんに見透かされてしまってるとか、兄ちゃんが思いを寄せてるのがちょっとわかってるから、その相手と関係を持ってしまうとか。

その2人の関係を兄ちゃんはちゃんとわかってて、わかってることをごまかされてることを分かってしまった感じとか。

その負い目もあってか、過失を犯した兄ちゃんを助けようと動く弟だったのに、兄ちゃんにすべてを見透かされてることを悟った弟は裁判で兄ちゃんに不利な証言をしてしまう。

そのせいで、兄ちゃんは実刑をくらって服役してしまう。

真実は語られないのだけど、弟が見た映像がカットインされて、本当は兄ちゃんが突き落としたんじゃなくて、助けようとしたんじゃ?って観客が思わされてしまうのです。

子供の頃の映像を見て、兄ちゃんはホントに自分のことを大事に思ってくれてて、自分も兄ちゃんのことが好きだったんだなって気付く弟。

果たして、兄ちゃんの気持ちは…。

あー、なんだかあらすじ感想になっちゃいましたが、見事に説明がないんですよ。

情景とセリフのみ。

そこからジワジワとそれぞれの人々の気持ちが伝わってくるんです。

香川さんもオジョーさんも脚本とカントクの演出を絶賛してましたが、ホントによかった。

カントクにはゆれがないんですよ。

ゆれがないから、多分、脚本読んで演じていくウチにその役にハマっていけるんじゃないかなあ。

いい映画でした。