ユニコーンやら電気グルーヴやら筋肉少女帯やらSMAPやらお芝居やら

十三人の刺客

やっと観てきました。

おもしろかった!

三池監督のフツーな映画って久々に観たんじゃなかろうか。

時代劇!って感じのつくりがなんともこう…燃えるといいましょうか。

よかった。

噂の殿もよかったです。

何不自由ないってことは本当に幸せなことなのか。

そんな感じの殿。

でもまあ、そんな悩みってのは「何不自由ない」階級の人ゆえの悩みなワケで贅沢なんですけどね。

そんな階級の人の感じがカトリさんが言うところの「何か問題でも?」「何がいけないんですか?」っていうあの天然でノーブル吾郎さんにピッタリハマってました。

十三人は十三人ともよかったなあ。

そりゃ目立つのは伊原さん松方さん伊勢谷さん山田くんなワケですが、でも、他の面々もよかったです。

宿場での仕掛けとかチャンバラとか、そして残忍でグロテスクなものも登場するところとか、わくわくする時代劇でした。

必殺シリーズの最初のころのエグさっていうんでしょうか。

きっと映画だからここまでできるんだなって感じ。

斬れば血が出る。そして、あの時代だからこその非道。

ザ・時代劇でした(*´∀`)

徳川末期といえばもう切りあいなんかもなくて、平和で、黒船がくるまで混乱もなく、武士が武士らしくといっても精神論でかろうじてって感じの時代だったと思うんですが、そこでの十三人。

人を初めて斬ったオロオロした感じとかそういうのがよかったです。

そいや、組!で勝っちゃんが初めて人を斬ったときもいつまでも手を洗ってたな。

本当に戦えるのか?というところから始まって、実践的な立ちあいの練習とか、そういうのもよかったな。

生きるか死ぬかの戦いに綺麗な作法はいらないものね。

だから、

一騎打ちかこれは古風な

だっけ、殿がそういうのとかとてもよかったです。

武士としてぬるま湯な生活にどうにかしたいと感じてた山田くんと、人としてぬるま湯な生活をどうにかしたいと感じていた殿は似てたかもしれないですね。

そこにそんな2人とは対称的やりたいようにやる伊勢谷さんが山田くんとしてはうらやましかったのかも。

殿の非道な振る舞いは非道でしたが、何をやっても手応えのない感じが逆に哀れというか。

そんな殿に対してでも忠義を尽くす市村さんはその忠義こそが自分が侍である証だったんだろうなあ。

同じ時代劇として、市は対極的なとこにあったなあとしみじみ。

市は侍じゃないし、人を斬る大義名分もないし。

派手さもないから、痛快!って感じもないし。

うむ。

でも、カントク、殺陣師さん、音響さん、その他スタッフさんがみな「やりたいことできた」っていう映画になってたからよかったのかなあw

殺陣もなんか「痛い」って殺陣で、侍同士の殺陣じゃないから派手でもなかったしなあ。

興業的にはあんまりだったけど、1年後とかフラっと観たらいい映画じゃん!ってなってる気がします。

つか、愛の物語とかって宣伝がダメだった気がする。

あと事前情報大杉でダメだった気もする。←それは自分が痛感してだから今回の十三人は前知識ナッシングで臨みました

終わったことをウダウダいうのが一番ダメな気がする…_/乙(、ン、)_だって残念なんだもん。