ユニコーンやら電気グルーヴやら筋肉少女帯やらSMAPやらお芝居やら

かもめ

2008年7月18日(金)シアターBRAVA!

作     アントン・チェーホフ

演出    栗山民也

翻訳    沼野充義

美術    島 次郎

照明    勝柴次朗

音響    山本浩一

衣裳    前田文子

ヘアメイク 鎌田直樹

演出助手  坂本聖子

舞台監督  小林清隆

トレープレフ:藤原竜也

アルカージナ(トレープレフの母):麻実れい

トリゴーリン(アルカージナの愛人):鹿賀丈史

ソーリン(アルカージナの兄):勝部演之

ニーナ:美波

ドールン(医者):中嶋しゅう

シャムラーエフ(ソーリン家の執事):藤木孝

ポリーナ(シャムラーエフの妻):藤田弓子

マーシャ(シャムラーエフの娘):小島聖

メドベジェンコ(教師):たかお鷹

首都モスクワから遠く離れた片田舎。作家を目指す25歳の青年トレープレフは、売れっ子作家の愛人トリゴーリンと共に久々に故郷に帰ってきた大女優である母アルカージナの気を引こうと、恋人ニーナを主役に据えた前衛的な芝居を上演する。しかし、アルカージナには「退廃的なデカダン」と一蹴され、全く相手にされない。女優を目指すニーナは都会で活躍するトリゴーリンに惹かれ始める。

母に自分の才能を否定され、ニーナの自分に対する感情の些細な変化を感じ取ったトレープレフは撃ち落したカモメをニーナに送る。「いまに僕は自分を撃ち殺すんだよ。こんなふうに。」

ニーナはトリゴーリンにどんどん惹かれていく。トリゴーリンもまた若く美しく才能溢れたニーナを可愛く思う。

焦りと絶望からトレープレフは自殺未遂をする。アルカージナに自分を認めて欲しいと懇願するが、親子の気持ちは通じ合わない。

ニーナはトリゴーリンと共に都会で生きていく決意をする。母、作家、恋人が去ってトレープレフは一人田舎に残された。

2年後。トレープレフは作品が首都の雑誌に掲載されるようになり、新進気鋭の作家として注目を集めていた。そして再び彼の前に現れたニーナは女優として全く芽が出ず、トリゴーリンにも捨てられ、狂気を帯びていた。今でも愛していると告げるトレープレフ。しかしニーナにとってトレープレフは既に過去の思い出だった。彼と話すうちにだんだんと希望を見出すニーナ。二人のもう重なることのない人生を悟ったトレープレフは絶望し、自殺する。

「君は…、君の道を見つけたんだね。どうやって進めばいいのかもわかってるんだ。でも僕は、まだ夢と幻想の渾沌とした世界で、それがなんのためなのかもわからない。信じられない。これが人生だなんて、信じられない。」

とにかくもう、生麻実れいさんが素晴しかったです。

一度生で拝みたかったんですよねえ…。いやーもう、スタイルもいいし、声もいいし、ちょっと子供っぽいお母さんが何故だかちょっとかわいく見えるし。ステキでした。

あと、美波さんががんばってました。

ドラマの有閑倶楽部でもがんばってるなあって思ったんですが、今回の舞台もがんばってました。

若くて希望溢れる少女の役。でも、だんだんと変調をきたして、再会したトレープレフと会話してるウチに以前のキラキラした感じが戻ってくるあたり、すごくよかったです。

キラキラしながらもまだちょっとおかしいんだけど、なんつーか、躁状態というか。

そのニーナにひきずられるトレープレフ役の藤原くん。

ちょっとドスの利いた声を出そうとして発声がイマイチのときもあったんですが、苦悩する様はさすが。

お母さんに認められたい、ただそれだけなのにそれが通じず、恋した相手はお母さんの恋人に恋して去っていく。そこで一旦絶望し、自殺未遂を犯し、ずっと底辺を彷徨い続けてる。

同じように彷徨っていた恋した相手と再会し思いを告げるけど、結局、相手はさらに先に行ってしまう。

不器用でいつも取り残さてる役でした。

女のほうがしたたかって話なんでしょうか。

なんにせよ、かもめって有名な話なのに全然内容を知らなかったので、こんなヘビーな話だったのかとビックリ。

恋してときめき、そして苦悩する藤原くんはやっぱりいいなあ(笑)