ユニコーンやら電気グルーヴやら筋肉少女帯やらSMAPやらお芝居やら

犯さん哉。

必死で猟犬のフリするキツネ

(写真は本文とは関係ありません)

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

出演:古田新太 中越典子 犬山イヌコ 姜暢雄

   大倉孝二 八十田勇一 入江雅人 山西惇

シアタードラマシティ

いやーもう、デタラメ万歳!

フルタアラタ少年の一代記なんですが、とにかくデタラメ。

これはもう見てもらわないとあらすじも言えないくらいデタラメ。

ひらがなとか漢字を見つめてるうちにその字がわからなくなっちゃうゲシュタルト崩壊という現象がありますが、それを芝居でやられた気分です。

果たしてこれは常識なのか非常識なのか。

悲しい気持なのか笑いたい気持なのか。

冷たい奴は豆腐なのか。

不条理といえば不条理なんだけど、不条理と言うよりはデタラメと言ったほうがしっくりくるお芝居でした。

脚本もすごいけど、演じてる人もすごい。

パンフにもコメントがありましたが、気持の持ってき方がすっごい難しそう。

デタラメを感情を込めてしゃべるって、ホントに難しそう。

アラタ少年はほとんどグンゼ白ブリーフ(結構ゆるゆる)1枚で熱演。

真顔で真剣にデタラメをやる。

とてもカッコいい。

フツーの芝居ではないですが、サラリーマンNEOとか時効警察とか好きならオススメ。

ワタクシとデタラメとの邂逅は電気グルーヴのB.B.E.でした。

B.B.E.の歌詞を見て「こんなデタラメなのにカッコいい!」って思いました。

そして、こんだけの言葉の羅列ってなんて高度な!と思いました。

それを思い出したお芝居でした。

意味がありそうでなさそうでありそう。

感情がありそうでなさそうでありそう。

ふざけてるんだけど、なんかセツナス。

セツナスと思わせておいて意味がない。

大好きな世界でした。

最後にフルタアラタがニュウフルタアラタになるシーンでシェイクスピアの不条理ギリシャ劇のセリフを叫ぶんですが…、それがツボでした。

デタラメと不条理は似て非なるモノだと思うんですけど、なんか最後に無理矢理収まるトコは似てるなあって。

ギリシャ劇、すっごい不条理だったんだけど、結局、神様の一声で収まってしまって、今までの苦悩はなんだったの?!って話だったのです。

犯さん哉も結局は神様の一声で収まってる感じだったので、なんかワケのわからん納得した気持で劇場を後にしました(笑)

パンツ1丁の古田新太が拍手で何回も何回も何回もカーテンコールに現れる。

それは、賞讃なのか羞恥プレイなのか(笑)