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スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ

監督 三池崇史

製作総指揮 中沢敏明

遠谷信幸

脚本 NAKA雅MURA

出演者 伊藤英明

佐藤浩市ほか

音楽 北島三郎(主題歌「さすらいのジャンゴ」)

撮影 栗田豊通

配給 ソニー・ピクチャーズ

ガンマン:伊藤英明

平清盛佐藤浩市

源義経伊勢谷友介

与一:安藤政信

弁慶:石橋貴明とんねるず

静:木村佳乃

保安官:香川照之

平重盛堺雅人

平宗盛田中要次

アキラ:小栗旬

トシオ:松重豊

村長:石橋蓮司

伝七:塩見三省

ルリ子:桃井かおり

野党のボス:香取慎吾

ピリンゴ:クエンティン・タランティーノ

浩市さんと堺さんだ!ってことでDVD付き前売り買ってワクテカしてたら、チョイ役でカトリさんまで出てることが判明。

しかしながら、早く観に行かないとヤバいんじゃ…ってことで観に行ってきました。

超豪華で贅沢なB級映画。

サーロインステーキのつけあわせに、アワビのステーキの上にフォアグラソテーが乗っかってるのが出てきちゃったよ、そこに、コーンポタージュスープとウニイクラ丼もセットで出てきちゃったよ、ぐらいな濃厚さ(笑)

衣装が素晴しかったです。

全体の雰囲気もよかった。

でも、笑いの部分は寒かった。

監督は和製ウェスタンっていうより、和製キルビルを作りたかったんじゃないかしら。

キルビルタランティーノ監督が仁侠映画にリスペクトして作ったように思うワケですが、そのキルビルにリスペクトして英語でキルビルな西部劇を作っちゃったって感じ。

だから、雰囲気が自動翻訳した英文を再び自動翻訳で英文に戻した…みたいなおもしろさが。

世界は諸行無常なのね…ってラストでした。

でも、もし、カトリさん目当てで観たいとか思ってるのなら、血みどろ映画なのでDVDで観たほうがいいよ、ってオススメします(笑)

源氏と平家が雌雄を決した、壇ノ浦の戦いから数百年後の世界。

すっかり落ちぶてギャングに成り果ててる源氏と平家。

いろんな村に隠されてる平家の埋蔵金を求めて、各地の村に宝探しを繰り広げています。

とある村にその宝があると聞きつけてやってきたのは赤の平家。

宝を守る村長を殺し、村に居座り、ウダウダするもなかなか宝をゲットできません。

そうこうしてるウチにウワサを聞きつけやってきたのは白の源氏。

2つのグループは対立しつつ、いざこざを起こしつつ、村でにらみあっています。

そんな抗争に巻き込まれ、静の夫・アキラは清盛に惨殺され、静は源氏側に逃げ込みます。

アキラは平家の生まれ、静は源氏の生まれ。その子どもは平家と源氏の血を引く、平八。

そんなさなか、ひとりの凄腕ガンマンが現れます。彼がどっちの味方になるのか、どうなのか。

静を狙って、ガンマンを出し抜こうとした源氏の与一が弁慶に武器を調達してこいと命じます。

その武器を巡っていざこざが起き、清盛は源氏に重盛を始め手下を殺され一人になってしまいます。

ガンマンもガンマンで、静を盾にとられ、ボコボコにされ。あげく、目の前で静を殺されてしまいます。

瀕死のガンマンはルリ子に救われ、そして、先住民の家へ。

宝をかけて、源氏と平家への復讐を誓います。

傷が癒えたガンマンと実は伝説のブラッディ弁天と言われるガンマンだったルリ子、一人になってしまった平家の清盛、そして、源氏一派、の最後の戦いが今…。

と言う感じのあらすじ。

清盛が莫迦でカワイイのです。

肝っ玉小さそうなんだけどえばってて、いつも重盛の後ろに隠れてる。

平家物語は縁起悪いから、今日からヘンリー王だ!って、手下にヘンリーって呼ばせてる。

いやー、こういう奢った莫迦っつーか、ちょっとおもしろい感じな役がすっごい上手い。

浩市さん、赤い長髪でステキです。

組!での鴨もそうだけど、トップにいるけど一番強いデキるわけでないって感じがすごく上手いのです。

そして、カワイイ。カワイイ男なのです。

で、その右腕の重盛。

真面目そうなんですが、実はちょっと莫迦?って匂いが(笑)

清盛のことを立ててるんだけど、ちょっとなんつーか「しょうがないなーもう」みたいなとこがありそうで、ステキ。

清盛のヘンリー宣言に、工エエェェ(´д`)ェェェエエ工工ってなりながらも、律義にヘンリーって呼ぶところがカワイイ。

衣装がねーいいんですよ。セリフは少ないんですけどね、でもちゃんと重盛の人となりは出てました。

最期はスゴイ顔になってましたけど。

今回、一番カッコよかったのは義経

伊勢谷さんはキャシャーンのときはどうしようかと思ったんですが、どんどんステキになってきてて…。

嫌われ松子の暴力男もよかったし。

俺は侍ではない、モノノフだ、という義経。刀さばきがすっごいカッコイイ。

佇まいもカッコイイ。何を考えてるんだかわからない感じがすごくよかった。

全編英語なんですが、英語上手いなあって思ったのは、伊勢谷さんと木村佳乃さんでした。

静のキムヨシさんもよかったなあ。

雰囲気がすごいあって、英語がカッコよくて。

ダンスがよかった。そして、最期は血みどろ。

キノコ、いや、伊藤さんは巻き込まれたガンマン。

最後はウエスタンらしく去っていきます。

海猿であんなにステキな体だったのに、トレーニングしてないのかちょっとポヨってて、ああああ、カトリさんのあの腹はやはり腹筋が肉になったものなのか!と納得しました。

言葉少なな中立者なのですが、平八(静の息子)に自分の生い立ちを重ねたためにルリ子の味方に。

ガンさばきがカッコよかった。

平家が赤、源氏が白、その中でひとりだけ黒なガンマンはカッコよかったです。

ルリ子、通称ババァは桃井さん。

もうね、日本で一番タバコ吸う姿がカッコイイのは桃井さんだと思います。

普通のタバコも葉巻もどれもこれもカッコイイ。

でもって、伝説のブラッディ弁天なルリ子。

伝説のガンマンなピリンゴの弟子であり、女であり、静のダンナのアキラの母。

最後の戦いカッコヨス。そして、トシオとの純愛が泣けます。

与一と弁慶ペアはホントに莫迦でキチgayって感じでおいしいとこ持ってきました。

特に与一の狂気はスゴイ。素晴しい。

んで、カトリさんはというと、導入部でピリンゴを襲う野党の役。

この人のスゴ味演技はこれしかないのか?っつーくらいの金狼プレイ。

もっと違うスゴ味かたできるでしょうに…局長のときはすっごい迫力あったんだから。

あげく、英語がカタカナっぽい(笑)

でも、ガンさばきと死にっぷりはあっぱれでした。

なんとなく得体のしれない恐い感じは、クリスマのオットー風味でも出せたのになあとか思いつつも、長髪と黒づくめ衣装はおステキでした。

途中回想の場面で、ピリンゴがルリ子にスキヤキ指南をしてるんですが、

「砂糖が入りすぎだ!」「甘味は白菜から出すんだ!」「絹ごしトーフなんていれやがって!」←トーフは焼トーフで

なんて指導してるのを観て、ああ、ウチもそんな感じなスキヤキ…って、ちょっと親近感。

お遊びでおもしろかったのはここくらいかあな。

あとのセリフ遊びはなんかあざといっつーか、イマイチでした(笑)<おもしろいでしょ?って言われながら聞かされるみたいな

と、まあ…個々の役者さんは素晴しいですが、莫迦映画なんですよねえ。

ちゃんと、ロミオとジュリエット的な部分もあり、諸行無常な部分もあり、お話として筋は通ってるんですけど、血みどろだし、好き嫌いは別れると思います。

あとね、おもしろいと思って入れてるセリフがホントにイマイチだったりなんですよね。

いかにもって感じで(笑)

そのへんを脳内で削れば、かなり好きな映画でした。

ガンアクションと刀さばきと衣装は本当に素晴しいし。

騎乗しての戦いとかも素晴しい。

何故に英語?ってのはありますが、英語にしちゃったほうがちょっと照れるようなセリフで言わせやすいってのはあるかもですが。

つか、すっごい海外を意識した映画になってました。

やりたいことはやった感あったし、ワタクシは好きです。

でも、万人にはオススメできません(笑)