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墨攻

アンディ・ラウがステキよ☆と友が薦めてくれた&兄に「ぜひデカい画面で見ることを薦める」と言われたので墨攻を見に行きました。

よかった。

戦争ムナシスなお話。

大国・趙国と小国・梁城との攻防は手に汗握り、偉い人のイヤーな感じにイヤーになり、武人ってのは不器用だなとホロリとしました。

CGなんかも多用してたんでしょうけど、LOVERSみたいにウソーん…ってこともなく(笑)、ラストは虚しさが残りましたが、これが戦争なのね…って感じでした。

役者さんもどの人も渋く、若手の人もいい感じ。

もちろんラウさんもいい感じのおっさんになってておステキでした。

見に行ってよかったです。オススメ。

この間、見に行ったコリオレイナスに通じるものがあるのですが、国を守る武人と国を司る役人・貴族と国に住む民たちというのはなかなか折り合わないものだなあと思いました。

アンディ・ラウ演じる革離は墨家からやってきた墨者。三国志とかに出てくる軍師みたいな人です。

墨家という集団は反戦を理念として掲げてるのですが、侵略は罪という考えから、侵略されてる者に対して協力し、その国を守るという活動もしてるのです。

で、大国・趙国に侵略されそうになってる小国・梁城を助けるために革離はやってきたわけです。

革離は知恵を絞って、相手の心理を巧みに読んだ作戦で攻めてくる趙国の兵を追い払います。

最初は信頼してなかった梁城の民たちも趙国の兵を追い払う度にだんだんと革離はスゴイ人だイイ人だ、いばってばかりの貴族とは違う、と革離を讃えます。

そうなるとどうなるか。

おもしろくない貴族が革離を陥れようと画策を始めるのです。

趙国が別の大国・斉に攻められていることを知った趙国の王はもう攻撃がないだろうと思い、目障りな革離を始末するように自国の将軍に命じます。

権力者っつーのは自分より能力の上の者とか、自分より人気ある者に対して、疑心暗鬼になるもんなんだなあ…と、シミジミ。

まさに出る杭は打たれる。

まーつらつらとあらすじ描いてもアレなんですが、王に裏切られた革離だったんですが、再び、趙国が危機に陥ったときにまた助けるんですよ。

助けて去って行く。

でも、助けられた趙国は結局、王の慢心と別の大国からの侵略でその後滅んでしまうのでした。

あー、もうね、アンディ・ラウがいいんですよ。ステキなんですよ。

色気のあるおやじなんですよ。やっぱり、自分は韓流より華流なんですかね。

男だらけの物語の中で唯一、女性の主要キャラとして、范冰冰(ファン・ビンビン)さんって女優さんが出てくるんですが、これがステキ。アクションもバリバリできる女優さんなのです。

彼女が女騎馬隊長として革離に協力し、革離の采配や行動に感銘を受け、そして惹かれていくのでした。

でもね、最後は革離派として、喉を潰され投獄され、死んじゃうんですよ。

死んじゃう理由が革離が趙国を助けるための最後の戦いで使った水攻めの巻き添えなんですよ。

勝つって何?戦いって何?ヒーローって何?

って感じの映画で、ハッピーエンドでもないんですけど、戦乱の世ってのはこんなもんなんだろうなあっていう気持でした。

ハッピーエンドにならない虚しさがより一層、これが戦争なのね…と思わせられて、ツボでした。

こういう感じのことが紀元前370年くらい(日本は縄文時代)に起こってたんだなあと思ったら、戦いってホントになくならんもんなんだなあとシミジミしました。